冬枯れた三渓園臨春閣もまた良い … 建築の旅・WanderVogel
2013-01-08


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先日「包丁式」を見に行った三渓園で撮った1枚の写真。
三渓が収集し、三渓園に移築した数々の名建築の中でも、この臨春閣は素晴らしい。

西 和夫先生の著書「三渓園の建築と原三渓」のなかで、「三渓園の建物の白眉、それは臨春閣と聴秋閣、このふたつであろう。」「移築して三渓は、春に臨む建物 - 臨春閣と、秋に耳を澄ませて聴く - 聴秋閣、と名付けた。実に風流な名である。」と書いています。

臨春閣は一部を「釣殿」のように池に向かって飛び出すように雁行して建つ三棟の建物から成り立っていて、玄関から入って一番奥の三棟目だけが二階建てで、あとは平屋という造りになっています。
屋根は檜皮(ヒワダ)葺きで、庇の屋根だけは〓(コケラ)葺きで葺かれた数寄屋風書院造りをしています。

古建築を購入し移築した三渓自身は、この建物が桃山御殿(秀吉の建てた聚楽第)の一部と信じていたようで、建物の来歴についてはその後様々な学者、建築史家(藤岡通夫教授の巌出御殿説)が研究を重ねた仮説を立てていったようです。
(そのあたりは、上記の書籍に詳しい)
現在では大阪の春日出新田会所 - 八州軒という建物を移築したもの、というのが定説のようです。

といったように、この三渓園の建物群はその建物の素晴らしさ、配置の妙、四季それぞれの邸園の風情の巧妙さに加えて、それぞれの建物の持つ歴史をひも解くというミステリアスな楽しみがあります。

春の特別公開1:[URL]
春の特別公開2:[URL]
夏の特別公開1:[URL]
夏の特別公開2:[URL]

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