シルクロードネットワーク・横浜フォーラム … … ヘリテージ・講演・シンポジウム
2015-03-16


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昨日は一昨日と打って変わって、良い天気になりました。昨日と今日が逆の天気だったら良かったのに、、と悔やんでみてもしょうがないですね。
みなとよこはまでは、横浜マラソン(フルマラソン)が行なわれていました。

昨日は一日、そのマラソン会場のすぐ隣にある横浜市開港記念会館の講堂で開かれた(第1回)シルクロードネットワーク・横浜フォーラムに参加してきました。

私もいちおう会員になっている横浜歴史資産調査会(ヨコハマヘリテイジ)の主催で行なわれたシンポジウムで、「シルクロードでつなぐ街と人」と題しての講演や全国からの事例報告などが行なわれました。

かなり面白いシンポジウムなので、開港記念会館の講堂では狭いのでは、と思ったりしていましたが、わりと空席が目立っていました。。。
もう少し盛り上がるかと思ったのですが、マラソン大会とダブっていたとは…、まあそれが原因ではないかな?

幕末から明治初頭・大正・昭和にかけて横浜は生糸の輸出港として栄えましたが、その生糸・絹の生産地と横浜を結んだ、まさに「シルクロード」に焦点を当てて、もう一度各地にあった「生糸(養蚕)文化」をしっかり見直ししてみよう。という主旨で開かれたシンポジウムです。

本来であれば、(今年初めに急逝された)西和夫先生が基調講演をするはずでしたが、そういうわけで寄稿文のみの紹介になっていたのがなんとも悲しく残念でした。

記念講演は、「横浜と絹」といえば、まずは「原三渓」ということで、私もボランティアでお世話になっている三渓園保勝会から川幡氏が「絹の歴史と文化・原三渓」の講演を行い、続いての基調講演は、こういう会ではおなじみの横浜国大教授の吉田鋼市先生が「横浜絹関連連築物の魅力」と題して公演が行なわれました。


その後、ピアノコンサート!を挟んで、各地の事例報告ということで、いよいよ本日のメインイベントの始まりです。

山形県新庄市、長野県岡谷市、上田市、群馬県、埼玉県、山梨県、などなど 東関東を中心に横浜と生糸や絹でつながっていたシルクロードの各地域の(養蚕や生糸に関する)歴史遺産についての調査・研究、あるいは現代に残されている建物の利活用についての報告が次から次と行なわれ、大変興味深い話しを聴くことが出来ました。

写真は、長野県諏訪市の諏訪湖畔にある「片倉館」という温泉施設の館長による報告・パフォーマンスの様子です。
(片倉館と言えば、昨年の世界遺産登録で有名になった群馬県の富岡製糸場と関わりの深い片倉製糸紡績の施設ですが、その成り立ちがそのまま明治期における日本の生糸産業の歴史とも言えるほど関係性があります。その意味においては、横浜三渓園を造った原三渓についても全く同じことが言えますね。)

明治初頭から全国に一気に広がった「生糸生産・蚕の飼育」というのが、今考える以上に日本の(とりわけ農村部の)農家一軒一軒に与えた影響の凄まじさといったものが解ります。
また、日本国そのものも この生糸の輸出に頼って「近代化」を推し進めていたことが解ります。

今の日本の私たちの生活の中で、そういった つい100年ほど前の私たちの身近で起きていた事柄をすっかり忘れてしまっているように思います。
今日はそういったことを再認識させてくれる具体的で貴重な報告会・シンポジウムとなりました。

ただ、講演・シンポジウムの終了予定時間を1時間もオーバーしてもまだ報告会は終らず、とうとう施設全体の閉館時間が来てしまい、かわいそうに、発表が出来なかった組(最後の発表は地元横浜でした…)を残したまま“強制終了”となってしまいました。

う〜ん、最後でとても残念な結果になってしまいましたぁ。

考えようによっては、とても一日で行なえるような小さなキャパの調査・報告内容では無かったということなんですね。

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